乾燥の目的と方法
燻製における乾燥の本来の目的とは、素材の水分を減らし、傷み易い食材を長期の保存が出来る状態にするために行うものです。
商売のために作る燻製ならこの考えは重要になりますが、僕のように趣味で燻製を作るなら、保存性より燻煙による色付きや香り・風味を良くする事が主な目的になります。
- 風乾
-
塩抜きが終わった素材の水分をきれいにふき取って、風通しの良い日影で5〜6時間乾かします。ざっと半日とか一晩くらいと思ってください。この時、虫や犬・猫などから守る措置は必要になります。外気にさらす風乾は気温が20℃を超えない涼しい(寒い)季節にのみ行います。ただし素材が凍り付くような気候でも避けるべきでしょう。
乾燥の目安は、素材の表面がサラッとした感じになればOKです。条件の違いにより10時間くらいかかる場合もあると思いますが、時間よりも乾燥の具合で判断します。気温が20℃を超えるような場合は冷蔵庫内で乾燥させます。
ラップやビニール袋に入れると蒸発した水分が水滴となってまた素材に付着するので、ザルやアミの上に置いて下になっている側からも水分が蒸発できるような状態で一晩寝かせます。
素材の表面が湿っていたり、水分が残っていると色付きが悪くなり、仕上がったときに酸味が出てしまいます。
- 温熱乾燥
-
ベーコンなど温燻法で作る燻製で、風乾の後に行う乾燥法です。
スモーカー内に素材を入れ、約50℃になるよう熱源を調整して1時間〜1時間半くらい煙なしで乾燥させます。
風乾と同様、素材の水分を減らす目的があり、温度を上げることで燻煙を始めた時に色付き易くする効果もあります。
高温にし過ぎたり、長時間やり過ぎると水気や脂の抜け落ちたパサパサの燻製になってしまいます。